「また吠えちゃった。ご近所に聞こえていないかな……」。インターホンが鳴るたびに慌ててしまうと、飼い主さんも疲れてしまいますよね。静かにしてほしくて声をかけるのに、かえって吠え声が大きくなると、どうすればよいか迷うと思います。
そんなときは、吠え声を止めようと頑張る前に、愛犬が落ち着いて過ごせる場所を用意するところから始めましょう。来客の日の工夫と、普段の短い練習を分けて考えると、取り組みやすくなります。
チャイムの音だけが気になるとは限りません
同じように吠えていても、急な音にびっくりしている子もいれば、玄関へ向かう家族についていきたくて興奮する子もいます。知らない人の姿が見えて、不安になることもあるでしょう。「どうして吠えるの?」と思ったら、まず吠え始めたときの出来事を思い返してみてください。
音が鳴った瞬間なのか、誰かが立ち上がったときなのか、それともドアが開いたときなのか。この違いが分かると、練習することを一つに絞れます。確認のために何度もチャイムを鳴らす必要はありません。次に自然な来客があったとき、余裕があれば覚えておく程度で十分です。
来客の日は、玄関から離れた場所で待てるように
宅配の方を待たせながら練習するのは大変ですよね。実際の来客時は、無理に慣らそうとせず、愛犬が普段から休んでいる場所へ案内しましょう。玄関が直接見えにくく、人の出入りで落ち着かなくならない位置が向いています。
家族がいるなら、一人が玄関へ、もう一人が愛犬のそばへ。来客には、犬をじっと見たり手を伸ばしたりせず、そっとしておいてもらいます。ゲートは飛び出しを防ぐ助けになりますが、閉めると慌てる子もいます。使い慣れていないゲートや部屋を、来客の日に初めて使うのは避けましょう。
玄関は家族が対応
犬を連れて出ず、人の出入りと犬の動線を分けます。
出入り口を仕切る
慣れたゲートや扉で飛び出しを防ぎます。
奥の寝床で一緒に待つ
玄関が見えにくい場所で、別の家族が付き添います。
上から見た配置の一例です。寝床は、愛犬がいつもくつろげる場所に置きます。
練習は、来客のない静かな時間に少しだけ
最初は音を使わず、マットや寝床で過ごす時間をつくります。愛犬が自分からそこへ行ったら、そばに小さなごほうびを置いてみてください。伏せるまで待ったり、離れようとする体を押さえたりせず、「ここにいると、いいことがある」と感じられる経験を重ねます。
そこで落ち着いて過ごせるようになったら、インターホンの録音を、ごく小さな音で一度だけ流し、その直後にごほうびを渡します。気づいても、体をこわばらせずにいられる音量から。音に驚いたら、その回は終わりにして構いません。録音だけでも気になる子は、音を使わない練習を続けましょう。
寝床でくつろぐ
音を鳴らさず、自分から寝床へ行ったらごほうびを渡します。
小さな音を一度だけ
録音を小さく鳴らし、直後にごほうびを渡します。
家族の動きを少し足す
小さな音で落ち着けたら、家族が一歩動く練習を別に試します。
途中で立ち上がって見張り続けたり、吠えたりしたら、次の段階には進みません。
吠えたときは、そこでひと休みしましょう
「ここまでできたのに」と感じても、同じ音を繰り返し聞かせて頑張らせる必要はありません。いったん音を止め、玄関から離れて休めるようにします。次の練習では音量を下げるか、音を流す場所を遠ざけてみましょう。
ごほうびを食べたかどうかだけでなく、その後に横になれるか、玄関から目を離せるかも見てください。食べてもすぐに見張りに戻るなら、まだ気になることがあるのかもしれません。愛犬が休めるところまで戻って、今日はそこで終える選択もできます。
音の後も寝床でくつろげる
ごほうびを渡し、短い練習を終えましょう。
食べても玄関を見張り続ける
音を止めて休憩し、次回はもっと小さな音にします。
吠え続ける・震える・逃げようとする
その場の練習は終了し、静かに過ごせる場所へ離れます。
普段の愛犬と比べながら、次の行動を選びます。
「吠えなかった」以外の変化も見つけてあげてください
最初から、どんな来客にも静かにできることを目標にしなくて大丈夫です。「今日は寝床へ戻れた」「配達が終わったあと、いつもより早く横になった」。そんな変化も、愛犬の様子を知る大切な手がかりになります。
メモを残すなら、「何があったか」「そのとき、どこにいたか」「その後どう過ごしたか」の三つだけで十分です。例えば「配達のとき、リビングの奥で家族と待った。配達後はベッドで休んだ」と書いてみましょう。同じ工夫を続けるか、次は場所を変えてみるかを考えやすくなります。
ご家庭だけで抱え込まなくて大丈夫です
来客のたびに気が張る、家族が一人だとうまく対応できない。そんな場合は、おうちの間取りや普段の過ごし方も含めてトレーナーに相談してください。「どんな言葉で止めるか」だけでなく、ご家庭で続けられる準備を一緒に考えられます。
急に吠えることが増えた、触ると痛がる、夜も落ち着かないときは、体調が関係していることもあります。まずは獣医師に相談しましょう。人に咬みつきそうな様子がある場合は、来客と接触させず、個別の相談を優先してください。
よくあるご質問
もう少し、知りたいこと。
吠えたら、ずっと無視した方がよいのでしょうか?
怖くて吠えている場合もあるため、一律に無視し続ける必要はありません。まず音や人から離れ、落ち着けるように手伝ってあげましょう。
録音では平気なのに、本当の来客だと吠えます。
本当の来客では、家族の動きやドアの開閉、人の気配も加わります。録音の音量を上げ続けるより、どの場面で吠え始めるかを見て、一つずつ練習しましょう。
おやつを使ってもよいですか?
小さなごほうびは練習に使えます。一日の食事量に含め、食事制限がある子は獣医師に確認したものを使ってください。食べられていても体が固まっているなら、無理に続けないようにしましょう。
この記事の参考資料
家庭での対応を確認するために参照した資料です。団体名の下に、参考にした内容を記しています。
- 犬が吠える理由と、家庭でできる対応|Dogs Trust ↗
英国の犬の保護団体による解説です。吠えるきっかけの捉え方、休める環境のつくり方、急な行動変化がある場合の獣医師への相談について参照しました。
確認日:2026-10-13 - 犬に配慮したトレーニングの考え方|米国獣医動物行動学会(AVSAB) ↗
獣医師を中心とする動物行動の専門団体の声明です。ごほうびを使って教えること、痛みや恐怖を与える方法を避けることの根拠を確認しました。
確認日:2026-10-13
執筆・編集:Peach Lily ONE 編集部(AI編集支援)。体調に気になる変化がある場合は、獣医師にご相談ください。編集方針を見る