かわいくてなでたいのに、手を出すとカプッ。服の裾まで引っ張られると、「このまま噛む子になってしまうのかな」と心配になりますよね。痛い思いが続けば、遊んであげたい気持ちと、少し距離を取りたい気持ちが重なることもあると思います。
子犬は口を使って物を確かめたり、遊んだりします。ただ、飼い主さんが痛みを我慢し続ける必要はありません。手を守れる遊び方と、ひと休みするタイミングを一緒に見直してみましょう。
噛む直前は、何をしていましたか?
まずは「どんなときに噛むことが増えるか」を見てみましょう。手でじゃれ合っているとき、夕方に走り回ったあと、抱き上げようとしたときでは、見直したいことが違います。噛んだという結果だけで、性格が悪い、しつけに失敗したと決めつける必要はありません。
楽しく遊んでいるうちに興奮して、口の力が強くなることもあります。一方で、顔をそむけているのに触られ続けて、やめてほしくて口が出る場合もあります。嫌がって離れようとしたときは、触る手を止め、追いかけないようにしてください。
手と口の間に、おもちゃを用意しましょう
指を動かして誘う遊びや、服の袖を追いかけさせる遊びは、手や服を噛むきっかけになりやすいものです。遊ぶ前に、手と犬の口の間に十分な長さを取れるおもちゃを用意します。くわえる場所と、人が持つ場所を分けられるものを選びましょう。
おもちゃは顔の上で振らず、愛犬が立ったまま届く低い位置でゆっくり動かします。口の中へ押し込む必要はありません。自分からおもちゃをくわえたら、穏やかに声をかけ、一緒に遊びましょう。壊れた部分やひもを飲み込まないように見守り、遊び終わったら片づけます。
人は手前の端を持つ
犬がくわえる場所から手を離して持ちます。
犬には反対側をくわえてもらう
おもちゃを低い位置に保ち、犬を持ち上げません。
遊びの後はひと休み
おもちゃを片づけ、落ち着ける寝床へ案内します。
犬の体格に合い、端を安全に持てるおもちゃを選びます。図は位置関係を示した例です。
歯が手に当たったら、遊びをいったん止めます
痛いと、思わず手を引いたり、大きな声を出したりしたくなりますよね。ただ、素早く動く手が追いかける対象になり、さらに興奮することもあります。できるだけ手の動きを止め、落ち着いて離れるための間をつくりましょう。
服をくわえて離さないときは、引っ張り合いにしないよう動きを止めます。あらかじめ近くに用意したおもちゃで、安全に口を離せるように手伝ってください。離れた後はすぐに激しい遊びへ戻さず、少し休みます。次の遊びでは、噛まれる前からおもちゃを出しておくことが大切です。
手や服の動きを止める
引っ張り合いや、手を追いかける遊びにしないようにします。
安全に距離を取る
口が離れたら、静かに遊びを中断します。必要ならゲートの外へ離れます。
落ち着いてから再開する
再び遊ぶときは、最初からおもちゃを使います。
強く噛み続ける場合は無理に手で引き離さず、接触を避けられる環境をつくって個別に相談してください。
激しくなるときは、もっと遊ばせる前に休憩を
「元気が余っているのかも」と遊びを増やしたら、かえって噛み方が激しくなったことはありませんか。疲れや眠さが重なり、落ち着きにくくなっていることもあります。長く遊び続けるより、短い遊びの合間に静かな時間を挟んでみてください。
休憩には、普段からくつろいでいるベッドやサークルを使います。罰として閉じ込めるのではなく、照明や家族の声を少し落とし、邪魔されずに休めるようにします。入ると慌てる子は、無理に扉を閉めず、落ち着ける場所を別に考えましょう。
おもちゃで遊び、途中で動きを止められる
短く遊び、まだ落ち着いているうちに休憩します。
手や服を追い続け、噛み方が激しくなる
遊びを中断し、人の動きが少ない場所で休みます。
触ると痛がる・体が固まる・急に噛み始めた
その部分には触らず、獣医師やトレーナーへ相談します。
その日の様子に合わせます。噛む力だけで判断せず、体の動きや触られたときの反応も見ましょう。
家族でそろえたいのは、三つだけです
ある人は手で遊び、別の人は噛まれると叱る。それでは子犬も、何をしてよいのか分かりにくくなります。まずは「手では遊ばない」「歯が当たったら遊びを休む」「再開するときはおもちゃを使う」の三つを、家族でそろえてみましょう。
お子さんがいるご家庭では、大人がそばで見守ります。走って逃げたり、寝ている犬に手を伸ばしたりしないよう伝え、遊ぶのが怖くなったら離れられる場所も用意してください。子どもと犬だけで対応を覚えさせようとせず、大人が間に入ることが大切です。
今日は「遊ぶ前におもちゃを置く」からで十分です
一度に全部変えようとすると、飼い主さんも疲れてしまいます。今日は、よく噛まれる時間の前におもちゃを用意する。それだけでも、次の遊び方を変えるきっかけになります。できたかどうかは、「手を噛まずに、おもちゃで一緒に遊べた場面があったか」を見てみてください。
皮膚に傷がつくほど強く噛む、触ると怒る、対応するのが怖いと感じる場合は、甘噛みという言葉だけで片づけずに相談しましょう。叱り方を強める前に、愛犬の様子とご家庭の過ごし方を一緒に確認できます。
よくあるご質問
もう少し、知りたいこと。
「痛い!」と大きな声を出すと伝わりますか?
声で遊びが止まる子もいれば、かえって興奮する子もいます。声の大きさで教えようとせず、手の動きを止めて遊びを休み、次からおもちゃを使う流れをそろえましょう。
口を押さえて教えた方がよいですか?
口を押さえたり、体を押さえつけたりする方法は勧めません。人の手を怖がるようになるおそれがあります。手を噛ませない準備と、噛んでよいおもちゃへの誘い方を見直してみてください。
成長すれば、何もしなくても治りますか?
成長に伴って変わることはありますが、手を噛んで遊ぶ経験が続くと習慣になることもあります。今から、手ではなくおもちゃで遊ぶ機会を増やしていきましょう。
この記事の参考資料
家庭での対応を確認するために参照した資料です。団体名の下に、参考にした内容を記しています。
- 子犬の甘噛みと遊び方|RSPCAソレント支部 ↗
英国の動物福祉団体の地域支部による解説です。おもちゃを使う遊び、興奮したときの対応、休息の大切さを確認しました。
確認日:2026-10-13 - 犬に配慮したトレーニングの考え方|米国獣医動物行動学会(AVSAB) ↗
ごほうびを使って望ましい行動を教え、体罰や恐怖を伴う方法を避ける方針を参照しました。
確認日:2026-10-13
執筆・編集:Peach Lily ONE 編集部(AI編集支援)。体調に気になる変化がある場合は、獣医師にご相談ください。編集方針を見る